帰化申請の条件に関する質問と回答例(住所条件)
住所条件/帰化申請の条件/国籍法第5条1項1号及び第6条3号
まず、状況を整理しましょう。在留の状況としては「来日後9年、仕事ができる在留資格になって1年がそれぞれ経過している」ことと存じます。
就労可能な在留資格になって1年しか経っていませんから、もちろん、現時点では帰化申請できません。
しかしながら、就労可能な在留資格になってから3年を経過する2年後まで待たなければならないかというと、あなたの場合は来年になれば就職して2年しか経過していなくても申請できる可能性があります。
それは、「引き続き十年以上日本に居所を有する者」であれば「住所としての条件」を備えなくてよい、という国籍法第6条3号に該当する可能性があるからです。
ただし、単純に「上陸して10年経過していれば住所条件が緩和されて申請できる」というものではありません。
ためしに10年経過後すぐに法務局に相談に行かれたとしたしましょう。間違いなく返って来る答えは「確かに国籍法第6条に合致している可能性はあるが、就職してまだ2年しか経っていないので、申請しても不許可となる可能性も多く残っています。とくに中国の方であれば、不許可となれば中国政府に対して行う国籍離脱の宣言を撤回しないといけないので、不許可となっても仕方がないとあらかじめ了承されるのでなければ、帰化申請を辞めた方が絶対良い。少なくとも、もう1年経ってから相談に来なさい。」というものです。
法務局も意地悪で言っているのではなくて、実際にその通りなのです。
まず、日本人の立場からしましたら、1日でも早く帰化申請をしたいということ自体が怪しいことです。また、8年間も学校に通っていたという事実も一般からすると特異なことですあり、その間の学費の捻出、アルバイトの状況、現在の資産の状況、その他、普通の申請よりも細かく厳しく審査していかなければならないケースであることは間違いありません。資格外活動許可を得ていたとしても、そもそも週28時間以内のアルバイトだけで8年間も大学生活を送れるはずがない、という常識を物証を挙げてひとつひとつ打ち破っていかなければなりません。物証もなく、簡単に「親からの送金です」などと言ってしまうのも問題があります。奨学金をもらっていたらもらっていたで、その金額を含めた収入と支出の状況をこれまでの9年間においてしっかりと計算・把握し、過不足が生じ、つじつまが合わない部分がないかもきちんと確かめておくべきでしょう。
国籍法第6条をはじめとする簡易帰化を使う際には、要件が緩和される分、普段の第5条の審査に加えて留意点も多くなると覚悟しておいてください。
そして、やはり法務局の言うとおり、第5条の許可条件を全て満たす時点で申請した方が無難でありますし、どうしても6条を使って急いで申請するのであれば、経験の豊富な専門家の助力を得るべきです。
このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。
帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。
とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。
数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。
このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。
帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。
毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。
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