帰化申請の条件に関する質問と回答例(身分関係条件)

私が生まれた時には、母が前の夫と離婚できていませんでした。帰化に影響はありますか?

身分関係条件/帰化申請の条件/国籍法外

 ご質問のケースは、法律上の父(お母様の前の夫)と本当の父が存在するということを意味します。父がふたりいる場合には、裁判所の関与によりどちらかの父との関係を完全に切ってからでないと帰化申請は許可になりません。

 離婚や内縁の関係については子供達に知らされていないことも多く、そのようなケースで子供が申請される場合には、法務局での書類点検や受付後の審査の中で明白となります。受付後に明白となった場合には、取り下げとなります。あなたの場合は、すでにそのことをご存じですから、事前相談か書類点検の時点で明白となりますから、受付をしてもらえません。

 帰化の申請書類や添付書類の中で、異なる二つの事実がある(これを齟齬があるといいます)場合には必ずどちらが正しいのかを公的な証拠書類をあげるなどして証明または疎明する必要があり、とくにご質問のケースが一番深刻で、確定証明のある判決謄本などの裁判所による証明書(必ず、自分自身が原告または被告となっているもの)以外は疎明資料として認めてもらえないのです。

 こういったケースは、ほとんどが韓国・朝鮮籍で特別永住者の方の中に見られ、中国籍の方など特別永住者以外の方には比較的少ないものです。韓国籍・朝鮮籍の方などの特別永住者の方は、母国を離れて長く暮らされており、届け出先や届出の方法、届出の必要性をご存じないなど法律上の知識不足からきちんと届出ができなかったという理由によるものが最多です。また、意図的に虚偽の届出をされている場合もよくあり、素行上の検討もしておかなければなりません。とくに在留特別許可をともなうような場合には、素行条件上、帰化申請に非常に深刻な影響があります。

 いずれにしても、身分関係上の齟齬が見つかった場合は、むしろ国籍法上の帰化条件を満たさない場合よりも深刻な状況になることが多いですので、特別永住者の方は、身分関係については特別永住者以外の方よりも慎重に進める必要があります。

 ASC申請支援センターにご依頼いただいた後、韓国の家族関係登録簿記載事項証明書(韓国除籍謄本を含む)の記載から、問題となる事項が判明する場合も多く、その場合は対処してからでないと帰化申請ができませんので、あらかじめご了承ください。

帰化申請の条件について丁寧に解説

  

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質問をお読みいただく際のご注意

 このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。

 帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。

 とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。

 数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。

 このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。

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 帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。

 毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。

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