帰化申請の手続きに関する質問と回答例(取り下げ・不許可)

帰化が不許可になったらどうすればいいですか?

帰化許可(帰化申請の不許可の項をご参照下さい)

不許可事由がある場合は取り下げとなり、不許可となる数は少ない

 事前相談と書類点検における下調べの中で不許可事由が見当たらず、帰化申請を受付けられたとしても、下記の記事に書いてある通り、毎年、数千人の方が許可されない結果となっています。
(ご参考リンク:「質問:帰化申請が不許可になることはよくあるの?」)

 このうちのほとんどは取り下げ案件であり数は少ないですが、毎年、数百件程度は不許可処分がなされています。

  

ネット上に流れている帰化申請の不許可に関する誤り

 不許可に関する情報は、よほど申請数をこなしている行政書士でないと、ほとんど知らないものです。

 開業したばかりの行政書士の方は、大抵インターネット上の記事をまとめてホームページを作成することが多いので、嘘や間違いが増殖して書かれていきます。既に現時点では、ウェブ上では虚偽の記事の方が多くなっているのが現状です。

 記事の中には下記のような間違いが見受けられる場合がありますので、ご注意ください。

 間違ったホームページの情報では、「納税義務を怠っている」とか「渡航日数180日を越えている」などが不許可『事例』として掲載されていることがあり、失笑してしまうことがあります。これらは不許可や取下げ以前に初回相談時点ではねられ受付されないので不許可となることはありません。

不許可時には、法務大臣から不許可通知が送られてくる

 法務大臣名で不許可通知といった題名の書類が送られてくることはありません。

 にもかかわらず、このデマはインターネット上に結構な数があふれています。行政書士事務所のホームページにさえ、結構よく見かけるところを見ると、どこかの単位会(都道府県行政書士会)の帰化申請研修などで間違った講義が行われたのかも知れません。いずれにしても、このデマが掲載されていれば、自分の経験でなくネット上の情報を集めて作成したホームページであることが丸わかりです。

帰化申請の不許可時には、担当者から電話で不許可の連絡がある

 担当者から不許可の電話連絡が入ることは原則ありません。不許可時の情景を面接等の連絡等と混同しながらイメージされた方が書かれたのでしょうか?

不許可通知書に帰化不許可の理由が記載されている

 通知には不許可の理由など一切記載されません。入管が発行する在留関係や永住申請の不許可時の通知をイメージされた行政書士の方が想像を記事にされたものと存じます。「漠然とした理由しか書かれていないため、一般の人には分かり辛い」とまで想像を膨らませている場合もあります。

帰化が不許可になっても、取消訴訟という道がある
帰化申請は何度でもできる

 これらは決して間違いとまでは言えないのですが、あまり現実的な考え方ではありません。そして、申請者の帰化に対する姿勢に対する影響を考えると、むしろ、不許可の通知に関する間違いよりも罪が重いと言えますので、以下の段落でそれぞれについて少し説明しておかねばなりません。
 通知に関する間違い程度であれば不知を詫びれば済むことですが、申請者が帰化申請を甘く考えたりなめてかかるような結果となって不許可となれば、長い間その申請者の人生に影響を与えるからです。帰化申請や法務局をなめてかかることは、日本人をなめてかかるということだからです。そのような方に帰化が許可になることはありません。

実務上、取消訴訟で勝てる見込みはありません

 不許可の場合は、取り下げと違って、個別の担当官からの連絡があるわけではありません。

 帰化申請の不許可は、行政事件訴訟法第3条2項の処分にあたりますので、同法の規定により、(処分の日から正当な理由なく1年を経過していない限りにおいて)不許可の通知を受けた日の翌日から起算して6ヶ月以内に、国を被告として「処分取消しの訴え」を提起することができます。

 しかしながら、帰化申請の許可不許可については国籍法第5条にあるとおり、法務大臣に帰化条件のみにとらわれない広範囲な裁量権が与えられていますから、裁判を起こしても勝てる見込みは「全く」ありません。当センターの知る限りでも、帰化不許可についての処分の取消し訴訟で、原告が勝った例は1件たりともありません。

  

不許可理由をあらためて再申請することがただひとつの近道

 残された道は、不許可となった事由を完全に修復してから、長い時間を待って、再申請をすることのみです。

 不許可となった理由については、法務局に聞いても教えてくれません。

 申請以前の脱税や交通違反で不許可となることは、まずありません。それらの事実があれば、「申請自体できない」か「取り下げを促される」からです。不許可以前の問題なのです。

 不許可となるのは、取り下げの指示があったにもかかわらず無理に法務省へ送った案件か、本人が申告すべきことを申告しなかった虚偽申請だけだからです。本人自身が知っているはずです。

 しかし、虚偽申請をするような方は、自覚している大きな申告漏れ以外にも複数の虚偽事実が存在し、なおかつ自分自身でも認識していない場合が多く、このような場合は、主たる素行上の不許可理由を正しただけでは足りないことがありますので、不許可になった時点である程度記憶も鮮明な間に、胸に手を当てて、必死に何が悪かったのかを反省していないと、一生許可になることはないと考えてください。

 形式的には、帰化申請を何度も申請するのは自由ですが、実質的には、帰化申請は何回でも申請できる申請ではありません

 経験上言えることは、それだけです。

  

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質問をお読みいただく際のご注意

 このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。

 帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。

 とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。

 数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。

 このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。

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 帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。

 毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。

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