帰化申請の条件に関する質問と回答例(住所条件)

留学で4年、就労資格になって3年経ちました。帰化できますよね?

住所条件/帰化申請の条件/国籍法第5条1項1号

 上陸年月日から7年間、そのうち3年は就労できる在留資格をお持ちということは、一見、住所条件を満たしているように思いがちです。

住所条件/帰化申請の条件を解説 しかし、国籍法第5条1項1号に定められた「引き続き五年以上日本に住所を有すること」という帰化申請の住所条件には「五年以上」という条件と「日本に住所を有すること」という条件とともに大事なもうひとつの条件が含まれています。

 そう。「引き続き」という条件です。

 在留が分断されていると判断されれば帰化申請はできません。

 よく「ちゃんと再入国許可の期限内に帰国しているから大丈夫でしょう」と言われる方がいますが、在留資格が続いていることと「帰化申請でいう在留が分断されていない」ことは、全く意味が違うものです。

 長期間の海外渡航があったり、一回一回は短い期間でも頻繁に海外に渡航している状況になると「在留が分断されている」という判断になります。

 いったん在留が分断されていると判断されると、せっかく長年にわたって「住所を有してきた」期間がリセットされ、いちからまた5年間待たないといけないことになります。

 よく何日まで可能であるとか書いてあるサイトをたまに見かけますが、そのようなボーダーラインというものは法律上ありません。申請者の親族の状況、渡航先の状況、渡航目的、勤務先の状況、資産の状況、渡航意思の状況などによって、個人個人許容範囲は変わってまいります。ただし、「少なくとも」年間の半分以上海外に出ていると間違いなく在留が分断されていると判断されます。

 そのことを知ると必ず「179日だったらどうなのか?」と法務局に聞く人がいますが、その考え方を持っている時点で100%帰化申請するにふさわしくない方であることを自覚してください。180日とか179日とか、そのようなボーダーラインの話でなく、実際に、年間の半分を海外で寝泊まりしているという状況は「日本人として異常」なのだ、と気付かなければなりません。そして、ほとんどの日本人は「年間の半分を海外で暮らしている人間に、どうして国籍をやらなくっちゃいけないのだ!」と考えています。もし、法務大臣が異常な状況の人に帰化許可を与え続けたとしたら、大きな世論がわき起こり政治問題となることでしょう。日本国民にとっては、主権に関する大問題なのです。

 そのことが理解できない間は、帰化申請をすることは避けた方がいいでしょう。あなたも日本人になるのです。あなたが帰化しようと考えた動機のひとつであるはずの、マナーが良い人々が暮らす住みやすい日本の状況が、常識もマナーもなく自分の都合だけを考える人々ばかりの違う日本になっていくことを許せますか?例えば、日本に帰化した途端、海外で暮らしだすような行為に、怒りを感じられるようであれば、日本人になる資格があると考えていいでしょう。そして、その考え方や感情は「定着性」の上で非常に大きな武器となります。

 ASC申請支援センターでは「生まれた時から日本人の行政書士が、日本人の目から見て、日本人となるのにふさわしい申請者である」ということを主張して、法務局と打ち合わせや折衝をしてまいります。定着性を含め帰化申請の条件については、日本人の感覚がないとなかなか判断できません。もしあなたが中国の役人だったとしたら、中国国籍に加入したい日本人の申請者の申請を、日本人のブローカーが提出してきたとしたら、どのように感じますか?「本当に、中国の伝統を受け継いで暮らしていく誇りある中国人になる資質があるか、検討しているんだろうか?」と。そしてそれは中国の役人だけでなく、中国で毎日を一生懸命に暮らす国民全員が考えていることなのです。

 また、住所条件は申請をした後も守っていかなければなりませんので、申請時には住所条件を満たしていたのに、受付されたことで気を抜いて、つい長期の渡航をしてしまい不許可となる事例も見受けられますので、申請後も気を付けてください。

 なお、住所条件での年数は、在留が分断されていると判断されれば、在留資格に関わらず誰でもリセットされます。たとえ、特別永住者の方であったとしても長期間海外で暮らしておられた方では、リセットされることにより再入国後すぐには帰化申請できませんので気を付けてください。

  

質問をお読みいただく際のご注意

 このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。

 帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。

 とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。

 数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。

 このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。

ASC申請支援センターの帰化申請相談会にご参加できます

 帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。

 毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。

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