帰化申請の条件に関する質問と回答例(素行条件)

脱税や税金の滞納があると帰化申請に何か影響がありますか?

素行条件/帰化申請の条件/国籍法第5条1項3号

 脱税は、数ある素行要件の留意事項中でも最も重い不許可理由となる事柄のひとつです。

 税金は日本国の存続のための基礎となる事項だからです。

素行条件/帰化申請の条件 まずは、市町村・都道府県民税の納税証明書、所得税納税証明書、事業税納税証明書・消費税納税証明書・源泉徴収票・源泉徴収簿・従業員の源泉徴収税納付書などで納税・課税状況を確認することになります。事業所得の方は過去3年間(特別永住者は原則2年間)分を提出しなければなりません。

 なお、これらの「3年」とか「2年」とかいう期間は「3年間払っていればよい」とか「2年間に脱税が無ければよい」という意味ではありません。生まれてから今日までの納税状況が全て考慮されます。「まずは」提出する書類が3年であったり2年であったりするだけのことです。

 また、それぞれの証明書に記載の金額は、法務局内で「再計算」され、現在の暮らしの状況や資産の状況と比較して、釣り合いがとれているかどうかも確認されます。

 とくに中国籍の方などで、本国にいる家族まで扶養家族にしている方は、よほど事情がある場合を除いて、ほぼ不許可となりますので、気を付けてください。とくに平成21年より中国籍の方の帰化申請が厳しくなってきました。これは、「違法でなくても脱法といえる」ような行為を繰り返す同国の方が増えてきて、このまま放置しておくと世論の高まりによって社会問題となりかねない状況になっているからです。一部の不真面目な方の為に、真面目で一生懸命な中国籍の方が同じような目で見られることは非常に嘆かわしいことです。

 また、税金に関わる問題は、生計要件とも密接に関わってまいります。「税金の滞納」という事態は、素行の範疇で収まらないことです。税金を支払えないような生活状況になっているのであれば、素行条件・生計条件の両面から不許可となります(不許可以前に、受け付けられません)。

 生計要件に関わるということは、申請者のみならず、同居している家族全員に関係することでもあります。たとえ、法務局が納得する事情があって同居する親族が申請しないことを許してもらえたとしても、帰化申請しないその親族が脱税していたら、申請する人も不許可となります。脱税したお金で家族が暮らしてきたからです。

 なお、同居はしていないが親族が経営する会社等で働いている場合も同様です。親族の会社に脱税があれば、申請することはできません。他人の日本人が経営する一般企業で働いている場合は、会社の脱税があっても、基本的には個人の申請には影響はありませんが、申請者自身がたとえ雇われ役員であったとしても、取締役や監査役などの役員であったり経理の要職についていて、その脱税事件に深く関与する立場であれば、不許可となります。

 税金に関する審査のポイントは数えきれないぐらい多く、表見上、脱税となっていなくても実質的に問題がある例がすごく多いですので、ASC申請支援センターの帰化相談会にお越しいただく際には、事業をされている方は、直近の確定申告書類一式(損益計算書・貸借対照表を含む)をお持ちください。

  

質問をお読みいただく際のご注意

 このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。

 帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。

 とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。

 数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。

 このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。

ASC申請支援センターの帰化申請相談会にご参加できます

 帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。

 毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。

 帰化相談会予約専用電話:帰化申請相談会予約専用電話番号

 >> 帰化申請 | ASC申請支援センターホームページ

 >> 帰化申請の条件についての説明ページ

 >> 帰化申請の流れについての説明ページ

 >> 帰化申請の添付書類(必要書類)についての説明ページ

 >> 帰化の申請書類(作成書類)についての説明ページ

帰化申請の条件Q&A