帰化申請の条件に関する質問と回答例(生計条件)
潤沢な預貯金がないこと自体は、帰化申請の審査上、決定的な不許可理由とまではいえません。
いまさらながら国籍法第5条1項4号には「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」とあり、資産がなければ技能があればいいわけです。
また、「数億の貯金は最低必要だ」とか「数千万円あればいい」とか「百万円程度しかなければダメだ」というような、貯金がいくら以上なければならないというようなボーダーラインは、法律上、一応は決められていません。
「大きな借金がなく、普通の暮らしができていればよい。」少し帰化申請をしたことがある行政書士は口を揃えてそう言うことでしょう。
しかし、「普通の暮らし」と「普通でない暮らし」の境目こそが大事なことであるにもかかわらず、ギリギリのラインを掘り下げて研究している事務所は数少ないもので、そのような答えでごまかされるところも多いと存じます。
帰化申請に真剣に取り組んでいる事務所は、ASC申請支援センター以外にも沢山あります。貯金があまりないご家庭であれば、やはりそういった専門の事務所を選んで、きちんと相談に行く必要があります。
なぜなら、ご質問のように「貯金がほとんど無い」ということは普通の状況ではないからです。
冒頭に申し上げたように、潤沢な貯金がないこと自体は問題となりません。しかし、年齢や過去の履歴と照らし合わせて、「なぜ、相応の貯金が無いのか」という理由をはっきりさせていおく必要があります。そこにこそ、普通の暮らしとと普通でない暮らしのボーダーラインが隠されているからなのです。
相談に行った結果、理由によっては、やはり「普通の暮らし」でないと判断されることも多くあります。そして、生計要件は素行要件と密接に関わっていますので、財務状況が良くなっても申請できない場合がありますのでご了承ください。
ちなみに国籍法第5条1項4号をちゃんと理解している行政書士かどうかの見分け方ですが、ご依頼を検討される際には、電話をかけて「資産又は技能」の技能って何ですか?と聞いてみてください。
いい加減に取り組んでいるところであれば、4号に技能という言葉が入っていることさえ頭に入っていないでしょう。真面目でいっしょうけんめいな事務所さんであれば、さっぱりとした「明確な答え」が返ってきます。
このサイトも含めて、インターネット上にはいくつかの帰化申請Q&A集がありますが、Q&A集に書かれている回答は「あなたのケースには必ずしもあてはまるものではない」ということをご理解ください。
帰化申請の条件、つまり帰化できるかどうか、については、申請者の在留状況・親族関係・仕事・収入・資産状況・賞罰・課税納税状況・その他の過去の履歴・将来の予定などによって、ひとりひとり全員違いますから、本来、一般論として述べることは絶対にできないものですし、述べても意味のないものです。
とくに帰化申請の条件については、それぞれの条件の基準が他の条件の状況によって変わってきます。例えば、「5年間以上日本に住んでいて、仕事を始めて3年以上経っている人」でも、住所条件を満たす方もいれば住所要件を満たさない方もいます。飲酒運転やスピード違反などの交通違反については法務局は非常に厳しい立場を取っていますが、それでも「過去に飲酒運転がある人」であっても、素行条件を満たす人もいればその飲酒運転により素行条件上不許可となる人もいます。
数千件にのぼる帰化申請の相談を受けてきた経験から申し上げますと、「気になる条件以外は、まず問題ない」と自己判断されている方ほど、実際は帰化の条件を全く満たしていないことが多い傾向にあります。簡単に自己判断される方は、性格的にいい加減な方である率が高いからです。むしろ、「本当に許可条件をを満たしているのでしょうか?」と心配顔で相談に来られる方の方が問題なく進む場合が多いです。慎重に真面目に暮らしてこられている方だからです。
このサイトも含め、インターネット等の情報は「あくまでも一般論であり、あなた自身のケースは違う」ということと、「全ての専門サイトはビジネスでやっていますので、本当に大事な情報は公開していない」ということを十分に理解された上で、このQ&A集をお読みいただくようお願いいたします。
帰化申請についてもっと体系的に知りたい方は、ASC申請支援センターのホームページをご覧ください。もちろん、帰化申請のご依頼や韓国戸籍の翻訳や取り寄せも行っております。
毎週土曜日の午後に、大阪谷町線天満橋駅の大阪法務局に隣接するASC申請支援センター内、相談ブースで、帰化申請相談会を開催しています。帰化申請をご依頼される方は、電話予約の上、ご相談にお越しください。
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